ガスコンロに寿命は存在するのか?
ビルトインコンロの想定寿命(耐用年数)は8~10年程度と言われていますが、ご家庭によって使い方や使用頻度が異なるので一概に「8年経ったら交換しましょう」とは言えません。とはいえ、ガス機器であるコンロ。もし万が一の事故につながる兆しがあるなら早めに把握・対処しておくべきです。今使っているコンロが安全に使える状態なのかどうか、気になりませんか?
長年使用していると、経年劣化でコンロ自体が古くなり、錆が出てきたり、吹きこぼしなどで火が出てくる穴(バーナーキャップ)がふさがったりもします。 不具合が出て最初は不便に感じても、毎日使用していると不具合があることが当たり前になってしまい、どのような症状がでてきたら適切な交換時期なのかもわからず、気が付いたら事故になっていた・・・などということになってしまっても困りますよね。
清掃や電池の交換で簡単に直る不具合もあれば、今すぐ修理や新しいコンロへの交換が必要な不具合もあります。コンロの修理・交換で迷う前に一度コンロの健康診断をしてみましょう。
最近ガスコンロにこんな症状は出ていませんか?
参考に下記の項目をチェックしてみてください。
ガスコンロの不具合チェック項目
- コンロに炎がついてもすぐ消えてしまう
- 何度か点火しないと炎がきちんと点かない
- グリルの煙の量が以前より増えた
排気口から炎があふれ出ている - コンロの炎が片側に偏っている
- コンロの炎の色がオレンジ・赤い
これらの不具合について、ガスコンロに寿命が迫っている証拠だとする情報サイトもありますが、これだけでコンロの寿命と決めつけるのは早計です。ただし、不具合が出ている状況であることは間違いありません。そのまま、使用し続けることは絶対にやめましょう。コンロはガス機器ですから、火災や一酸化炭素中毒をいった重大な事故に繋がる可能性があります。とくに2008年以前に製造されたガスコンロを使用している方は注意が必要です。
不具合の原因と対処法を以下に載せますので、改善するかまずは試してみましょう。
立消え安全装置・温度センサーなどの劣化・故障、位置がずれていることが考えられます。立消え安全装置・温度センサーは、故障していなくても汚れていると正常に作動しませんので、一度清掃してみることをおすすめします。または電池を新しいものに交換することで直る場合もあります。またガス弁・電装基板の故障もあり得ます。
火花も散らない場合は、まず電池の交換をしてみましょう。電池が古いと、どんどん炎が付きにくくなります。マイクロスイッチの劣化・故障の可能性もあります。また吹きこぼしてしまって、コンロ内部まで濡れてしまったりすると異常を起こしてしまう事があります。その場合、コンロを分解して確認しないとなりませんが、一般の方が安易に分解することはやめましょう。逆に壊してしまう可能性もあります。
グリルの清掃は毎回使用ごとにきちんとしていますか?
油分の多い食材を焼くと煙は多く出るものです。それにしても最近煙の量が多い気がする…、頻繁に食材が燃えるという場合、庫内に固着した油が燃えているのが原因かもしれません。きちんと清掃せずに使っていると、煙が増えるだけでなく、溜まった油分が燃えたり、蓄積した塩分や油分が原因でグリルの壁や天井に穴が空いてしまうこともあります。
上記の画像は東京消防庁によるグリル火災の実験画像です。グリル庫内の食材に引火し、排気口から炎があがっています。この火が周囲のものに燃え移ると、重大事故につながる可能性大です。この実験では食材への引火がきっかけですが、燃えるのは食材に限らず、庫内に蓄積した油汚れである場合もあります。
あまりにも堆積した汚れがひどい場合、思い切って買い換えるというのも選択肢の一つだと思います。最新のコンロには汚さない工夫、掃除しやすい工夫がされているものがたくさんあります。 詳細は「最新グリルの性能」をご覧ください。
まずバーナーキャップが正しく取りついているか確認しましょう。正しく取りついていて、解決しない場合は穴が目詰まりしている可能性があります。バーナーキャップの清掃をしてみてください。そのまま使用を続けていると不完全燃焼や一酸化炭素中毒の恐れがあります。清掃で解決しない場合はバーナーキャップの交換という選択もあります。
通常ガスコンロの炎の色は青色です。赤いということは温度が下がっている証拠。酸素不足で不完全燃焼を起こしている可能性があります。放っておくと一酸化炭素中毒の恐れがあります。こちらもバーナーキャップの清掃で直る場合があります。
ただし、コンロの近くで加湿器をご利用になっている場合、それが原因で炎の色が赤くなっている場合があります。一度加湿器を切って、炎の色に変化がないか確認しましょう。
・清掃したパーツをコンロに戻すときは水気を完全に乾かしてからにしてください。
・無理に分解しないでください。事故や破損に繋がります。
以上の点を注意しないと逆に故障の原因になり、コンロの寿命を縮めることになります。
くれぐれも無理はしないでください。
不具合が解決しないコンロ、修理か交換か
不具合が出て、上記の方法で改善しない場合、メーカーに修理依頼をしてみましょう。部品の交換や修理で解決できる場合もあります。しかし、修理ができない場合があります!それは部品の販売が終了している場合です。
なぜなら、修理に使用する部品を、メーカーが保有しているのは製造終了から5年間だけだからです。5年経つとメーカーは修理部品の在庫がなくなっても、補充しません。もちろんすぐに在庫切れになるわけではありませんが、製造終了から5年以上経って故障したら、修理だけでなく、交換も視野に入れるべきです。
また現在のビルトインコンロの製造期間は発売から3~5年程度です。修理部品の保有期限や製造期間、想定寿命を総合的に見て、設置から10年以上経っての故障・不具合が発生した場合は交換したほうがお得です。
なぜなら、今回不具合を出た箇所を修理したからといってコンロ全体が新品になるわけではないからです。修理してからしばらく使っていると、今度は再度別の部分に不具合が出てくる可能性があります。修理を繰り返すと費用はどんどん重なっていくのに、コンロのスペックは購入当時の古いままです。
さらに設置から15年以上経って、故障・不具合が発生した場合は修理部品が残っている可能性は少なく、ほとんど新しいコンロに交換するしかありません。
ビルトインコンロの性能・機能は、10年で大きく進化しています。いつまでも不便や不安を我慢して使い続けるより、新しいコンロに交換した方が断然おすすめです!
2008年以前のガスコンロは、とくに注意が必要!
現在販売されているガスコンロは、バーナー全口に「調理油過熱防止機能」と「立消え安全装置」が搭載することが義務付けられています。この安全装置のことを「Siセンサー」といいます。
しかし、2008年以前に製造されたコンロは、Siセンサーが一部のバーナーのみに搭載されていなかったり、さらに古い機種はそういった安全機能がまったく搭載されていないものもあります。ガスコンロを原因とする火災は、年間数千件発生しており、Siセンサーの搭載が義務付けられる前の2007年は5,627件(※)も発生していました。しかし、その後Siセンサーの普及と共に減少し、ガスコンロを原因とする火災は、2012年には約4割減となる3,497件(※)にまで減りました。
さらに国の法律で義務付けられている2つの安全機能のほかにも、「消し忘れ消火機能」や「焦げ付き消火機能」などの安全機能が業界・各メーカーで作られ、安全性の強化が図られています。
※総務省消防庁 消防白書(平成28年版)より
一度火災事故が起こるとご自宅はもちろん、周囲の家々にも延焼してしまい取り返しのつかない大惨事になりかねません。事故を防ぐには個人の意識も大切ですが、誰でもうっかりミスはあり得ます。そういったミスのフォロー機能としてSiセンサーの活用で事故を未然に防ぐことができます。
もし、まだ2008年以前に製造されたコンロをお使いでしたら、是非この機会に安全な新しいコンロに交換されることをおすすめします。
少しでもご使用中のコンロに不安を感じたら…
ビルトインコンロは安くても数万円はしますし、設置には有資格者による工事が必要です。またデザイン・機能の種類も豊富です。壊れてすぐに新しいもの決めて、翌日には希望通りの新しいコンロが使えているという状況は難しいと言えます。新調して、また10年間付き合っていく住宅設備として考えると、少しでも不安を感じた段階で事前に機種の選定と工事費用の見積りをとっておくことをおすすめします。余裕をもって、検討することで後悔や余計な出費をしてしまう失敗を避けることができます。 ハッピーコンロのお見積り・現地調査は完全無料!しつこい営業もいたしませんので、機種選びのご相談に是非お気軽にご連絡ください!